平成28年9月
糖尿病にかかると視力が低下しやすくなると聞きました。詳しく教えて下さい。
糖尿病の三大合併症として重大な、①網膜症 ②腎症 ③神経障害があります。
糖尿病は、慢性の高血糖を主徴とする代謝性疾患群であり、我が国では、毎年急激に増え続けており、2010年の段階で1,000万人を超えているのではないかと危惧されています。
糖尿病になると高血糖が血管の内皮細胞を傷害するため、本来の内皮細胞が持つ抗血栓作用が弱くなって、血液の粘調度が増したり、血栓が形成されたりし易くなるのです。
これが全身の合併症を引き起こす重大な要因となります。
目の奥には、網膜と言うカメラのフィルムにあたる重要な膜があり、ここに多くの神経と毛細血管が分布しています、糖尿病ではこの網膜の毛細血管に前述のような変化が起こるため、網膜に酸素不足や栄養不足が起こり、出血、毛細血管瘤(毛細血管のコブ)、滲出物などの網膜症や、硝子体出血を引き起こします。
糖尿病によるその他の眼の合併症としては、①緑内障 ②白内障 ③眼筋麻痺があります。
糖尿病網膜症の恐ろしいところは、自覚症状がないまま進む事です、ある日突然、「目の中に煙のすすがいっぱい見える」とか「真っ赤なカーテンがみえる」などの症状で眼科を受診すると、すでに手遅れで、失明も覚悟しなければならないことが有ります。
糖尿病網膜症は、もちろん糖尿病の状態と密接に関係しているわけですから、普段から糖尿病には十分に気を付けていなければなりません、健康診断などで、少し血糖値が高いとか、境界型などと言われても自覚症がないので放置している人がたくさんいるのに驚いています。
健診で言われたら、必ず内科を受診して下さい、網膜症ももちろん早期発見が大切で、現在は治療法に大変な進歩があり、レイザー光凝固術、硝子体手術、薬物療法などが行われます。
運動療法、食事療法、定期的な、眼科、内科への受診が大切です、日本糖尿病眼学会から『糖尿病眼手帳』が発行されています、内科や眼科でもらうことができます、大いに活用してください。
眼のお悩み相談 Q&A 一覧
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