平成30年6月
涙は多く出るのに、ドライアイと診断されました、どうしてでしょうか。
また、一日に何度も市販の目薬をさしていますが、治らないのでしょうか。
「ドライアイ」は良く知られた病名になっていますが、涙がよく出るのに「ドライアイ」と言われるとびっくりする方もいます。
「ドライアイ」の診断基準は平成28年に変更があり、①眼の不快感、乾燥感などの自覚症状と ②涙液層の不安定化の2つがあれば診断確定となりました。
“涙液層の不安定化”を説明すると、涙は上瞼の耳側にある涙腺から分泌され、眼の表面を潤しますがこの涙液層は瞬きの間、角膜(黒目)の表面に安定して存在しなければ不安定化となり乾燥感と不快感を引き起こします。
涙液層は外側から、①油層、②水層、③ムチン層 と3層構造をなしています、①油層は水層の蒸発を防ぎ、③ムチン層は、涙液が角膜表面に保持される役目をしています。
従って、ムチンの量が少ないと、いくら涙が出ていても、眼の表面に涙液が安定して存在していられないために、ドライアイとなるわけです。
逆にドライアイで眼表面が乾燥するとそれを補おうとして涙分泌が亢進する事があるわけです。
ドライアイとなる原因としては、
① 瞬目の回数が減ること:スマホやパソコン画面を注視したり、読書、運転などでも瞬目回数が減り、眼の開いている時間が長くなるため水分と油分が不安定となります。
② ストレス、緊張:副交感神経優位でなくなるので、涙も油成分も分泌が悪くなります。
③ 感想:部屋など環境が乾燥していると、涙が気化しやすくなります。
④ 加齢:年齢と共に、涙の分泌も、涙の蒸発を防ぐ油分の分泌も減ります。
⑤ 濃いアイメイクにより瞼の縁になる油分の分泌腺開口部をふさいでしまう事があります。
ドライアイの治療法としては、①点眼療法:涙液層のムチンを増やして安定させるという合理的な点眼薬が2種類使われるようになりました。
②涙点プラグ:点眼治療で改善されない場合は両めがしらの涙点をプラグで塞ぐ事により、涙液量を保つ治療があります。
③目を休め、瞬き回数を多くする。④部屋の湿度を保つ。⑤蒸しタオルで眼を温める:血行が良くなり副交感神経優位となり、涙の成分のうちの油分が出やすくなり、また、調節緊張もとれる。
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